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ブナ（山毛欅）白神山地が世界遺産になったことで、一挙に有名になったブナですが、ブナの黄葉もまた、ほれぼれするくらい美しいものです。そして、15センチくらいのブナに聴診器をあてて聞くと、水が流れる音がすると言われていることでも有名な木です。
この木は、高さ20メートル以上、直径１メートルにも達し、他の木と簡単に見分けがつきます。樹皮を見ればいいのです。樹皮が、ギザギザになってなくて、ツルツルでなめらかで、さまざまな斑紋がついているのです。だから一度覚えれば誰にも見分けがつきます。
ところで、ブナを漢字で書くと、「木」偏に「無」の字を使います。つまり木ではないと言われてきたのですね。というのも、まっすぐに伸びない特性のために、長らく木材価値がなかったわけです。しかし、最近は人工乾燥と防腐の技術により、高級家具材として高価な木材として売買されています。そして、現代の残されたブナ林は、とても貴重なものになっています。ですから、私などはブナ林を見つけただけで幸せになってしまいますが、このブナの紅葉が見られるなら、死んでも良いくらいに幸せになれるのです。
そしてこのブナ林には、100種類ほどの鳥や、リス・ノネズミなどの小さな動物、クマやシカといった大きな哺乳類まですんでいます。秋になると、このブナはたくさんの実をつけます。この森のブナの実は貴重な動物たちの冬の食料になるのです。 |