■こだわりの宿選びを
こだわりの宿選び1
こだわりの宿選び2
こだわりの宿選び3
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こだわりの宿選び2
あれは、今(2002年4月)から10ヶ月ほど前の、2001年6月の頃です。私は、浅間高原にある、とある山に迷い込みました。真っ赤な山でした。右を見ても左をみても、赤い花が咲き乱れている、とても美しい山でした。私は、その山をさまよううちに、家に帰りたくなくなってきたのです。
「美しい花だ、なんという花だろう」
レンゲツツジという花でした。そして、そのレンゲツツジは、みわたすかぎり、地平線の彼方まで咲き乱れていました。その光景は、夢のようでもありましたが、夢ではなくて本当のお話です。
「ああ、いいカオリだ・・・・」
いつの間にかレンゲツツジのカオリが、私の服にからみついていました。私は、草原に寝そべって、レンゲツツジのカオリに包まれながら、青い空を眺めつつ昼寝をしました。そして、気がついたら、青空は満天の星空になっていたのです。
「あ、いけない・・・・帰らなくっちゃ」
と思ったのですが、北軽井沢ブルーベリーYGHに全くお客さんの予約が入ってなかったことを思い出して野宿することにしたのです。どうせ宿の玄関には『飛び込みのお客さまは携帯に電話下さい』という張り紙が張ってあるし、電話も携帯に転送されている。だから、この幻想的な山で一晩すごしてもいいかもしれない。そう思ったのでした。
そして私は、その山に3泊もさまよっていしました。3泊目になって下山した理由は、携帯の電池が切れてしまったからです。今から思うと、ずいぶん無茶な事したなあと思いますが、あの時の私は、星と花につつまれた世界に夢こごちの毎日だったのでした。
草のベットは、一流ホテルのベットより寝心地が良かったですし、何百回でも寝返りがうてました。しかも夜空には、360度のスクリーンに映された天体ショーをやっていました。レンゲツツジの薫りは、私の体全体を覆ってくれて、私は虫たちの攻撃を受けずにすみました。
「この山は最高の宿泊施設だな」
と思ったものでした。ですから、うちの宿に泊まりに来るお客さんには、あの時のような体験をさせてあげたいと思うのですが、うまくいきません。宿泊業の限界というか、近代的な設備をととのえてある宿には、どうしても限界というものがあるなと思ってしまいます。
かと言って、普通の人に野宿はすすめられません。気象や自然に対する知識がないと生死にかかわることもあるからです。第一、体力がもちません。確実に睡眠がとれない宿泊が、旅先ではどんなに危険かとうことは、旅のベテラン諸氏なら御存知のことでしょう。ですから皆さんは、できるだけフカフカの布団で快適な睡眠のとれる宿泊施設を選択するべきだと思います。そういう宿を選ぶべきだと思います。 |